雪野山をまるごと楽しむ

雪野山には有名な雪野山古墳があり、一度は訪れたいとお考えの方は多いと思います。低山で比較的狭い範囲に見所が集まっていますので家族連れで楽しむにはピッタリです。しかし健脚自慢の山好きの方々にとっては、山裾の八幡社古墳群と山頂の雪野山古墳だけでは少々物足りないかも知れません。

そのような場合には、女坂を越えて雪野山北西部 “安妃山” に入り、尾根筋からの展望をお楽しみになってはいかがでしょうか?

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出典:この図は Google 社提供の地図上に独自情報を書き加えたものです。

そこでまず雪野山散策の一般的なルートである、八幡社古墳群から登って、山頂の雪野山古墳に着くまでの道筋の様子をご紹介します。

八幡社登り口から尾根筋との合流地点(鉄塔が建っている所)まで

このルートの起点には八幡社古墳群がありますが、古墳以外にも見所があります。また道も良く展望所もありますので歴史に興味が無くても結構楽しめるはずです。また旧八幡神社跡付近の、城跡を思わせるような立派な石の階段は、歴史ファンを唸らせるものがあります。

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高圧送電線の下は管理上の理由から立木の伐採が行われており、この付近の見晴らしは抜群です。しかし必然的に電線が視界に入る事を避ける事はできません。

通常はここから雪野山古墳に向かいますが、雪野山古墳には以前に行った事があるという場合にはここで右折して、雪野山北西部 “安妃山” に直行するという選択肢もあります。

鉄塔のところから雪野山古墳(山頂)まで

鉄塔の所を左折し雪野山古墳に向かいます。この雪野山古墳までの間には見所になるような施設はありませんが、道筋は良く整備されており休憩所もあります。

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ピークまで登り切った山頂に雪野山古墳があります。そしてこの古墳の真上には雪野山城が築かれていました。現在でも石垣や竪堀が残されており、戦国山城ファンには見逃せないスポットです。この城の城主は後藤但馬守賢豊だといわれています。この城が後藤氏の身を守る為に役立ったかどうかは不明ですが、雪野山古墳を守る事には役立ったのでは無いでしょうか?

この古墳のある山頂を楽しんだ後、来た道を戻り鉄塔の所の分岐点を直進すれば女坂に到達し、道の向いに見える階段を上れば雪野山北西部 “安妃山” に入る事ができますます。よって通常はここで引き返しますが、同じ道を戻りたく無いので今回はこのまま尾根筋を直進し、平石(上羽田町)の集落に下山する事にします。

*注:この後、雪野山古墳をさらに直進して平石集落に下りるルートを紹介しますが、 1時間以上の余分な時間と相応の体力を要しますので、余裕が無い場合にはここで引き返される事をお奨めします。

雪野山古墳からさらに直進して平石側への下山ルートに入る

雪野山古墳(山頂)から、引き返さず直進して尾根筋を下ります。この道は進行方向(日野町方向)の展望が抜群です。また道筋は穏やかにアップダウンしていますが急な坂ななくほぼ単調に下っています。

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この道脇にも他と同様に草木が生い茂っていますが、道に覆いかぶさるシダやふなご(ウラジロ)は少なく、あまり鬱陶しくはありません。しかし 2本ある平石側への下山道の片方(手前側)は草で塞がってしまっているようでした。このため、すぐに目に入った奧の方の道を利用して下山しました。

平石地区(上羽田町の山裾を戻る)

ここから八幡社登り口方向に戻り、雪野山北西部 “安妃山” に向かいます。

この平石からの戻り道にも風情がります。このあたり一帯は平石古墳群とされている場所でこの道に入るとぽっかり口を開けた古墳に出会います。この付近の山麓には多くの古墳が点在しており近年になってもまだ新しいい古墳が発見されています。 参考:平石古墳群を詳しく紹介したページ

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上記最後の写真は天神社古墳群がある雪野山歴公園の一角であり、これで雪野山古墳とその周辺の散策を終えたた事になります。このあと山裾の道を女坂登り口まで向かい 多聞院の宝篋印塔 をご覧になったり 赤穂浪士奥田孫太夫父子の墓( 赤穂浪士・奥田孫太夫と東近江の接点をさぐる )にお参りされてはいかがでしょうか?そして時間の許す限り女坂を登り雪野山北西部 “安妃山”の縦走 をお楽しみください。

雪野山古墳案内板

雪野山古墳は、歴史の山「雪野山」を象徴する代表的な遺構であり国の史跡にも指定されています。この雪野山古墳に設置されている案内板をご紹介します。

史跡雪野山古填(平成27年3月18日指定)

雪野山(標高308,82m)は、湖東平野に特徴的な地形である孤立山塊の一つで、古墳時代後期の円墳や前方後円墳等の古墳が、2OO基以上築かれていることが知られます。平成元年(1989)に、ハ日市市教育委員会の「雪野山史跡の森整備」計画による工事に先立つ調査で、 古墳の壁穴式石室が発見されたため、雪野山古墳発掘調査団(団長:大阪大学都出比呂志教授) が結成され、 以後4次にわたる発掘・測量調査と、7年に及ぶ資料整理調査により、古墳の全体像が明らかとなりました。 雪野山古墳は、古墳時代前期第2四半期、暦年代で西暦4世紀前葉までに造られたと考えられています。

古墳の形態
・山頂から北東に延びる尾根を利用した全長7Omの前方後円墳(推定)
後円部: 貴丘の途中に一段の平坦面をもつ二段築成 径4Om、高さ4.5m以上
前方部: 長さ3Om、高さ2.5m以上
・墳丘の盛土表面に葺き石 (湖東流紋岩)、一部に自然の岩盤を利用
・後円部に石垣や前方部に堅掘が見られ、16世紀頃に後藤氏の詰城に改変されたと推定

埋葬施骰
・堅穴式石室(長さ6.1m、北端幅1.55m、南端幅135m、高さ1.6m) 後円部のほぼ中央を長方形の2段に掘り込み(上端長最大値南北1O.6m、東西7.Om)、 その下段に構築(石材は全て湖東流紋岩、赤色顔料が付着)
・木棺(長さおよそ5.6m、樹種 : コウヤマキ) 石室の床面に粘土床を設置し、痕跡により木棺の両端に縄掛突起を有する舟形木棺と推定 仕切り板によって3区画に分けられ、被葬者は中央部に、北頭位に埋葬されたと考えられます。

副葬品
銅鏡:内行花文鏡(1号鏡:径約24,0cm、1291g
鼉(だ)龍鏡(2号鏡:径約26,5cm、1432g)
三角縁波文帶盤龍鏡(3号鏡:径約25,2cm、1146g)
三角縁唐草文帶四神四獸鏡(4号鏡:径約24,2cm、1337g)
三角縁亲出銘四神四獸鏡(5号鏡:径約24,2cm、1617g)

石製品:鍬形石 琴柱形石製品 管玉 紡錘車形石製品
農工魚具:鉋(やりがんな)盤 鎌 刀子 ヤス
武器武具:鞭 鉄刀,槍,剣 銅鏃 銅鏃 小札革綴冑

他にも棺の内外から、土器 (壺形土器)・ガラス玉・漆塗製品 (直弧文のある木製品・合子・堅櫛)などが多数出土しました。

副葬品は盗掘をまぬがれ、当時の状態で出土しました。
一括資料として考古学的な意義が大きく、大変貴重です。

三角縁神獣鏡を含む銅鏡群は、中央政権との結びつきを示すといわれ、さらに武器武具を多数副葬した、武人的な被葬者像を想わせます。
また、靭 (ゆぎ:矢筒)などの多彩な漆製品が良好な状態で出土したこと、小札革綴胃がほぼ完全な形で見つかり、その形態や技術に関する多くの成果をもたらしたことで、平成13年に重要文化財 (218点附18点)に指定されています。

八幡社古墳群案内板より

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八幡社の参道入り口付近に設置されている、八幡社古墳群の案内板の内容を転載。

滋賀県指定史跡
八幡社古墳群
昭和五十八年三月二十八日指定

八幡社古墳群は雪野山東側のほほ中央にあり、前方後円墳一基と円墳十八基の合計十九基からなる古墳群で、山の上から山すそにかけての谷あい地に分布しま すが、そのうち山すその十ニ基が滋賀県指定史跡とな っています。
築造の時期は六世紀中頃からセ世紀前半で横穴式石室が内部にあります。
前方後円墳は横穴式石室がひとっあるのが一般的ですが、この古墳群の前方後円墳には横穴式石室が三つあり、そのうちのひとつが奥で横に曲がっているという特異な古墳です。おそらくこの古墳群の統率者の墳基と思われます。
この古墳群は谷あい地にあり雨水による破壊が進行していたため、滋賀県教育委員会の指導を受けて史跡の森整備エ事の一環として環境整備を実施したもの です。

平成三年三月 八日市市

奥田孫太夫父子の墓 案内板

女坂の入り口付近にある、奧田孫太夫父子の墓に設置されている案内板をご紹介します。

由緒

奥田氏は元斯波氏なり
奥田三右衛門の時尾張奥田に住し依て氏となす
嫡子七郎五郎道家美濃に移り堀大郎左衛門尉秀重に属し忠節あり
秀重其の姓を興へ移称せしむ
三弟美作は三男あり
嫡子孫右衛門は佐々木滅亡後豊臣秀吉に社へ
二弟桐原竹材村に住し竹村を氏として伊達陸奥守
に社へ五十貫の地を興へらる
三弟某は内藤家に社へ其の子孫太夫に至り浅野家に社へ
三百石の知行を興へらる
元禄十五年十ニ月十四日大石良雄等の
同志四十七士故主浅野長矩の仇打ちを報す
孫太夫及び養子貞右衛門は近松六家より来る共に其の中に加り
翌年ニ月四日自及す
時に孫太夫五十六才、貞右衛門二十五才、然して比の地は
奥田家の帰依深き洞泉寺跡なり

淺野内匠頭家賴四十七義士
及察周剣信士 奥田田孫太夫重盛
及湫跳剣信士 (同)貞右衛門行高

この奥田孫太夫父子の墓がここに建てられた背景については 赤穂浪士・奥田孫太夫と東近江の接点をさぐる で詳しく解説されていますので、併せてご覧ください。

また 雪野山・謎の散策道 でニッチな散策ルートを紹介していますので併せてご覧ください。

 

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